第12章 悪いゲンガー(中)
レナの枕元に立つのは、
これでいったい何度目になるだろうか。
……どうやってコロソウ。
いつもは死にたそうにしたら
一飲みだったからやり方なんてない。
だけどレナを一飲みにしたら、
聞く前に死んじまうだろう。
レナは昨日のことで熱をだし
風邪ですっかり弱っている。
ただ、全く死にたそうではない。
とりあえず、夢に入って考えるか。
手を伸ばし意識を引き裂いて
夢の中へ頭を突っ込む。
それは俺が夢食いを使えた名残だ。
夢食いなら頭をつき入れたまま
相手がもがくのも関係なく
夢の断末魔か食感を感じながら
咀嚼する。本人は忘れてしまう。