第12章 悪いゲンガー(中)
「それでなんでここに居んのよ」
「ニンゲンの事は元ニンゲンに
聞くのが1番早いんじゃねえかって」
ゴーストダイブにレナは入れない。
だが俺1匹であればいつでも
ハナレに戻る事は可能だった。
今まで必要性を感じなかっただけで。
目の前の自称元人間ゲンガーをみる。
「……アンタ、あのニンゲンの
バカさが移ったんじゃないの?」
そうかもしれない、
とニンマリするとひっぱたかれた。
やっぱレナはニンゲンで
よかったよなぁ……としみじみ思う。
「まあ、悪いゲンガーなんじゃない?」
「やっぱりそうかなぁぁぁ!!?」
「うざ……」
そうだろうなぁとは思っていても、
いざ実際に"そうだ"と言われると
来るものがある。
「ニンゲンは好きだからって
いちいち殺したくならないし、
殺したいヤツは好きにならないでしょ」
一つ一つがグサグサと刺さる。
ニンゲン……コロシタクナラナイ……。