第11章 里帰りの手土産(上)
オーブをクリスタフラワーに放る。
パアッと眩い光が灯ると、
光が波のように温泉に広がる。
立ち上る熱気に手をのばせば先程と
違って暖かい温泉になっていた。
なぜかフワンテも喜びクルクル回る。
まさか博士が言っていたデュラスの
クリスタフラワーが熱源って……。
本当に火山みたいな形なのね。
「う……、つるつるして登れない」
「ゲガ?」「うわっ、ありがと……」
ゲンガーが下から私を抱えて浮かぶ
短い腕では不安定でヨロヨロと揺れ、
なんとか頭にしがみついた。
ありがたいけど、あんまり高いと怖いかも。
「あとで博士に報告しなきゃ」
……写真はとれてないけど。