第11章 里帰りの手土産(上)
ゲンガーがパシパシと水面を叩く。
それを見て触れるも熱い所かぬるい、
なんならなんだかぬるっとしている。
「……やば!」「ゲゲ?」
顔を上げるとフワンテだらけ、だが、
その中にヌメルゴンが水浴びをして
いるのが見てとれた。
またドラゴンタイプ!
隠れられないかとアワアワするも
開けていて逃げ場はなくすぐに
ヌメルゴンに見つかってしまった。
思わず固まるもヌメルゴンは
ニコニコするばかりだ。
「……この子は穏やかなんだ」
「ゲンゲ」
おそるおそるもう1つ上に登ろうと
ギクシャク動くもコチラに
何かしてくる気配はない。
と、このヌメルゴンが何かを
見つめているのに気がついた。
視線の先にはクリスタフラワーがある。
「もしかして」
ポケットからだしたカプセルを弾くと
手のひらに眩いオーブを取り出す。
するとそれに反応してか
ヌメルゴンが一鳴きした。
はしゃいでるように見えなくもない。