第11章 里帰りの手土産(上)
「わー……キレイ」
コチラのエリアはドラゴンたちが
危なくて入って来ていなかった。
しかし危機が去ってから
落ち着いて見てみればやはり美しい。
地底湖は先程までの大騒ぎが
嘘のように静まりかえっていた。
サザンドラと巻き込まれたクロバットの
近くにフワリンゴをいくつか置く。
「ゲゲ……」
「野生ポケモンのイタズラとはいえ、
ナワバリに侵入したのは私だもの。
可哀想なことしたなぁ……ごめんね」
ゲンガーが明らかに気にくわない顔で
それを見ているのが分かる。
しかしそれが自然のポケモンなのだ。
大体ゲンガーだって生態とはいえ
私の魂を一度獲物として連れ帰って
いるし同罪じゃないのだろうか……?