第11章 里帰りの手土産(上)
「ゲンガー!マジカルシャイン!!」
「ゲンゲロゲーッ!」
カッと辺りに光が満ちた。鋭い咆哮。
慣れない事をするものではなく
私まで目が眩んでしまう。
「ゲンガー!?ゲンガー大丈夫!?」
「ゲン」
さ迷う手に何かが触れた。
ヒヤリとしたいつもの触り心地……。
落ち着いたゲンガーの様子に
ホッと息をつく。
視界が戻ると立派なサザンドラが
目の前で地に伏していた。
「すごい……これ、
本当にゲンガーがやったんだね……!」
「ゲンガ!」
どうだ、とばかりにふんぞり返る
ゲンガーを思わず抱き締めると
オドオドと一気に表情を変える。
「ありがとう……、怖かったぁ!」
「ゲゲゲ」
ゲンガーは目元を笑わせ、
私の背をポンポンしてくれるのだった。