第11章 里帰りの手土産(上)
「ゲゲゲ!ゲンガッ」
ゲンガーのつよい眼差しにハッとする。
そうだ、私は一応ゲンガーの
トレーナーになったんだった……!
えっとなんだっけゴーストダイブはダメ!
私だけペシャンコにされちゃう!
「れ、れいとうパンチ!」
「ゲーンガ!」
ゲンガーが軽やかに飛び上がり
中央の顔目掛け輝くアッパーを決める。
パリィン!とガラスの割れるような
音をたてて辺りに氷が舞い散り、
サザンドラが苦痛の声を上げて狼狽えた。
「すごい!ゲンガーいけるかも!」
「ゲンッ!」
サザンドラが首を振ると今しがた
殴られた顔を庇うように両サイドの口が
ダブルアタックを仕掛けるも、
まるで霧を殴るようなものだった。
ゲンガーの体をすり抜けていく。
……そうだ、ピッピ!あの光るやつ!