第4章 #03 掠れた夢
「さっきぶつかっちゃった子がいたんやけど、その子と別れたときに落としてったんよ。綺麗やな〜と思って拾ってきちゃったけど!盗んでないよ!?」
「そ、その子、どんな顔してた!?」
「へ!?えっと…、顔は見えんくて!なんか手、つけてた!」
「ちょっとそれ貸して!」
緑色の髪をした少年は、少女から半ば強引に奪い取るような形で手に取った。
冷や汗を流しながら、少年は机で突っ伏している幼馴染のもとへ向かう。
「かっちゃん!!!!」
「なんだうるせぇ殺すぞ…」
「こ、これ…」
金髪の少年は顔を上げる。
目の前に突きつけられたのは、見覚えのある白い羽。
少年は目を丸くして立ち上がった。
「……おい丸顔」
「へ!?わたし!?」
「本当に顔見てなかったんか」
「だ、だって手ついとって見えんかったよ……」
「…チッ」
「な、なんなん!?どしたん!?デクくんに爆豪くん!!」
「…おいクソナード、テメェもそうなんだろ」
「…確信はないよ。でも、僕らはきっと、今、同じことを思ってる」
ーーーーこの羽を、見たことがあるって。
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