第4章 #03 掠れた夢
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「それにしても、すごい対応だったよ!飯田くん!」
「いや!あの場で俺ができることをしたまでだ!褒められることじゃないさ!なにより緑谷くんも、あの場を一緒にまとめてくれたじゃないか!」
マスコミの対応が落ち着いてきたころ、クラス内ではメガネの少年の行動が讃えられていた。
パニックになった生徒をまとめ上げた、ヒーローの卵。
「あ!デクくん飯田くん〜!活躍聞いたよ!見たかった〜!」
手を振って少年2人に近づいたのは、丸顔の少女。
「麗日さん、そういえば先生に呼び出し受けてたもんね。」
「そうなんよ〜。でも大したことなくて、授業についての話やった!」
「そっか、でも特に何もないならよかった………あれ、麗日さん、それは?」
「あ、これ?」
少女は、1枚の羽を手にしていた。
真っ白で毛並みの良い、綺麗な羽を。
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