第4章 #03 掠れた夢
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職員室に無事に辿り着けたわたしは、誰もいない職員室からオールマイトの時間割を手に入れた。
弔さんが校門を崩壊させてくれたおかげで、教師たちもマスコミ対応に追われているようだった。
ここまでガヤガヤと声が聞こえてくる。
両手で資料を抱え込みながら、走ってきた道のりを戻った。
マスコミも教師たちに促され、段々と去っていくのが見えた。
その流れに乗り、わたしも人混みに紛れつつ雄英を出た。
決めていた間に合わせ場所には弔さんと黒霧さんの姿が見えた。
『も、戻りました…』
「おつかれさまです。いかがでしたか?」
『なんとか、入手できました』
持っていた資料を弔さんに渡した。
「ーーーハハ、これで、始まりだ」
資料を読みつつ、弔さんは笑った。
ヒーロー社会をぶっ壊す序章かのごとく。
あとは計画を遂行するだけだ。
黒霧さんが広げた黒い霧は、瞬く間にわたしたちを飲み込んだ。
時がくるのを待とう。
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