第4章 #03 掠れた夢
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そして数日後。
わたしと弔さんは、雄英高校の校門近くにいた。
運悪くわたしは指名手配中だし、目立つ行動はできない。
なにより、翼が特徴的過ぎて目立ってしまう。
雄英の制服を着ていてもなんだか不安だった。
「これ着ろ」
『え、』
「それ、目立つだろ」
弔さんは着ていた薄手のコートをわたしの肩にかけた。
弔さんのわずかな温もりが、肩越しに伝わってくる。
わたしの右手には、弔さんがいつも身につけている " 手 " を握りしめていた。
【 顔割れてるだろ。使え 】
ーーーどう考えても、こっちのが目立つと思うが、ご好意に甘えて借りた。
なにより、弔さんと一緒になれた気がして嬉しかった。
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