第4章 #03 掠れた夢
「……なにしてる」
バーの扉が開くと、弔さんが仕事から帰ってきた。
わたしの姿を見た瞬間、すごく嫌そうな顔を見せた。
制服を受け取ったわたしは黒霧さんのせっかくのご好意を無駄にしたくはなかったので、仕方なく着た。
弔さんは変わらず、ものすごくしかめ面をしている。
『どうですか?』
「『どうですか?』じゃない。なにやってる」
『黒霧さんからいただきました。入学祝いのようで』
弔さんは呆れたように、大きくため息をついた。
「いかがでしたか?偵察は」
『偵察?』
「…ああ、だいたいの流れは考えた」
『…あの、全く話についていけないんですが…』
と言うと、弔さんは新聞紙を差し出した。
【 No,1ヒーロー 雄英高校へ赴任 】
『…そういえば、そうでしたね』
わたしのニュースで世間が賑わう中、オールマイトが雄英高校へ赴任するというニュースもとても話題になっていた。
もう雄英高校にすら興味もなかったわたしだが、オールマイトが先生になるなんて思いもしなかったので驚いた。
だが、別に関係のないこと。
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