第4章 #03 掠れた夢
『なんですかこれ』
「まあまあ、開けてみてください」
ガチガチに封をされている。
黒霧さん、こういうとこで几帳面出さなくていい。
多少強引に封を開け、中身を見た。
『こ、これは』
紙袋から出てきたのは、見たことのある緑色の服。
「合格、おめでとうございます」
雄英高校の制服だった。
『え!?なんでですか!?』
「せっかく高校生になるわけですし、制服くらい欲しいかなと思いまして。盗んでおりませんよ。あなたのものです」
制服と一緒にクリアファイルも入っていた。
[ 天羽 イヴ 入学許可証 ]
ご丁寧に入学許可証まで入っている。
『わたし、受かってたんですか!?というか、なんで持ってるんですか!!!??』
「裏の人間に手を引いてもらって、拝借してきました」
『やっぱり盗んだんじゃないんですか』
「ですが本物ですよ。天羽イヴにはもう必要ないかもしれませんが。」
ごもっともだ。
わたしにはもう、憧れた制服は色褪せて見えていた。
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