第3章 #02 ようこそ
「ううん、” ほぼ ” 成功って感じだね。」
「…このくらい、許容範囲だろ。」
「この個性は難しいんだよ、死柄木弔。翼は元通りだが、 " 再生 " した瞳が赤くなっているだろう?何らかの変異が起きた証拠さ。完璧じゃない。となるとーーーーー心臓を一突きされたら、死ぬ。それ以外は」
「死なないってことか。」
「ーーーそういうことだ。」
頭の中が真っ白だ。
黒霧さんが気を利かせてくれたようで、全身鏡を持ってきてくれた。
切り落とされた翼が、そこにはあった。
潰された片目が、そこにはあった。
左右で色の違う瞳は、どことなく不気味さを感じさせた。
と同時に、弔さんと同じ瞳の色になれたことが、今はそれだけが嬉しく感じた。
『な、なんでわたしの翼と片目は、元通りなんですか』
「…個性を与えたからだ。物理的にな。」
弔さんは、カウンターの席へ戻って静かに腰掛けた。
個性を与えたとはーー?
というような顔をしていたのが分かったのか、弔さんは話し始めた。
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