第3章 #02 ようこそ
「お前に与えたのは、" 超再生 " 。言葉通り、体を修復する個性だ。癒えた傷には効かない。」
『…超再生、すごい個性じゃないですか。』
「俺らは " 超再生 " の試作段階を踏んでいた。で、たまたまお前が死にそうになってたってわけだ。だから打った。」
『なんでそんなすごいものを、わたしに、』
弔さんはじっと、
まっすくわたしを見つめた。
「お前が、必要だと思ったからだ」
その瞳とその言葉に、わたしの全てが引き込まれた。
変わらず薄暗い部屋の中、テレビからの声が聞こえた。
「天羽イヴ。お前の選択肢は2つだ。」
『選択肢…?』
「ひとつ、このまま俺たちの元を去っても構わない。気に食わなきゃ出ていけ。
だが…ここを出て行った先にあるのは、お前に対する世間の冷たい目と、ヒーロー社会に対する嫌悪だ。」
そんな未来を、わたしは考えられなかった。
世間では、わたしは両親とヒーローを殺した殺人者だ。
そんな簡単に出歩けるはずもない。
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