第3章 #02 ようこそ
「俺らは、そんな社会をぶっ潰したいのさ。ヒーローの世界じゃない、皆平等になる世界を作る。そのために、俺らがいるんだ」
『びょ、どうのせかい、』
「…そうだ。何をやっても許される、そんなヒーロー社会が許せないのさ。」
涙でぐちゃぐちゃになった顔に巻かれた包帯を、丁寧に外していく。
「ーーーーだから、お前を助けたんだ。」
視界が広がる。
潰されたはずの片目。
それなのに、両目がーーーーー
『な、なんで……』
震える手で片目に触れる。
確かにそこには眼球が存在するし、視界もある。
「ーーーーお前も、世界を、変えたいだろう?」
背中のギブスが外された。
切り落とされた、白い翼は残ったままで。
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