第2章 #01 憧れた雄英
両親は、ヒーロービルボードチャートJPにも乗るほど有名なヒーローたちだった。
それが仇となったのか、分からない。
でも目の前にいるのは、小さい頃から仲良くしてきてくれたヒーローの姿だった。
『そんな、理由で…なんで、』
「そんな理由?子供じゃわかんねえだろうな」
「あれは、わたしたちヒーローにとって大事なものなの」
「アレに載りゃ、給料も倍だしな」
「これで、繰り上がりとなってヒーロービルボードチャートJPに乗れるんだわ」
何を言っているんだ、この人たちは。
そんな理由でわたしの両親に手をかけたのか?
逃げられないよう、わたしの片翼を落として?
背中は既に血が溜まり、暖かい血液が脇腹を通って滴っているのがわかった。
ヒーローは、人を助けるものじゃないの、?
なんでわたしは、ヒーローに襲われているの?
なりたかったわたしのヒーローは、なんだった?
頭が混乱している。
理解が出来なかった。
追いつかなかった。
ただ、これだけはわかる。
この人たちを、このまま逃がすわけには行かなかった。
涙はすっかり枯れ果て、視界は良好になっていた。
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