第2章 #01 憧れた雄英
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季節も過ぎて、いよいよ雄英受験が迫っていた。
わたしとかっちゃんは雄英の模試はA判定。
勉強は圏内。残りは実技で決まる。
出久もB判定で、勉強面では問題なさそうだった。
あとは、当日を待つだけーーーー。
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『緊張するなあ』
雄英受験当日、雄英高校の門を潜ったわたしはそう呟いた。
各学校から倍率の高い雄英高校を目指して、たくさんの人が集まっている。
わたしと出久はたまたま門のところで会い、合流した。
「うう、なんか緊張してお腹が…」
『大丈夫?』
「な、なんとか…。実技のほうが心配で…」
『大丈夫だよ!一緒にがんばろーー…あ!かっちゃん!』
「あ?」
隣を通り過ぎていったツンツン頭。
ぶんぶんと手を降っているが、かっちゃんは舌打ちをしてそのまま校舎へ言ってしまった。
「おいアイツ」
「ヘドロ事件の奴じゃね?」
「マジ?おい話聞いてこいって」
「やめろって」
周りからは早速「ヘドロ事件の被害者」として噂されている。
そりゃあれだけ派手な個性で暴れ回っていたら、記事にされても目立つだろう。
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