第2章 #01 憧れた雄英
「じゃ!わたしはこれで!今からコイツを警察に届けなくては行けないのでーー!」
オールマイトは屈伸しつつ、空を見上げている。
飛んでいくつもりらしい。
『あ、ありがとうござーーーええ!??出久!??』
勢いよく風を巻き上げたオールマイトの足元に、先ほどまで倒れていた出久がくっついている。
No,1ヒーローが目の前にいたら、そりゃひっついていくに違いない。
まだまだ話し足りないことがあるんだろうな。
出久らしくて、なんだか笑ってしまう。
ぽつんと残されてしまったわたしは、仕方なく家路につくことにした。
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【ご飯、あっためて食べてね】
家のテーブルには、綺麗にサランラップが巻かれている夕食が置いてあった。
その上には、母の文字が。
両親ともに家を開けることが多くなった。
寂しくないと言えば嘘になるが、それでも家にひとりでいるのはつまらなかった。
置いてあった夕食を温めることもせず、胃に運んでいく。
学校では明るく振る舞ってはいるが、1人だと案外冷静なのだ。
食べ終わると、食器を洗って荷物を片付けた。
『さてと、今日も行こうかな。』
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