第2章 #01 憧れた雄英
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そこは、どこかの被災現場。
救助を終えたヒーローと、
現場を片付ける警察でごった返している。
「オールマイトさん」
「ん?君はーーー」
「下っ端ヒーローがすみません。少し、お話したいことがありまして」
「いや、下っ端とかそんなものはないよ!同じヒーロー同士だ!で、どうしたんだい?」
「娘にーーー個性の制御を教えたいんですけど、そういうことって、可能ですか?」
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『出久!?大丈夫!?』
目を覚ました出久は、ぽかんとした顔をしていた。
と同時に、隣にいるオールマイトに驚き、逃げ腰になっている。
サインをもらったヒーローノートを渡してあげたら「家宝にします!!」と喜んでいた。
【娘は、妻の個性を継いでいます。】
【普段は穏やかで優しい子なんですが、】
【時々、見るんです。】
【駄々をこねるとき、】
【怒ったとき、】
【気持ちが穏やかでなくなったとき、】
【人のために使うとき、】
【驚異的な力を見せるんです。】
【わたしと妻はヒーローなので今はまだ、平気ですが、】
【あの子の個性が、もし、敵として使われてしまったら】
【…脅威になってしまうのでは、と思うんです。】
オールマイトの頭の中に、あの時の声が響き渡っていた。
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