第2章 #01 憧れた雄英
「ーーーで、ここはこうすると、答えを導き出せる」
『あ〜!なるほどね、わたし、公式の覚え方間違ってた』
「ここは公式をちゃんと覚えちゃえば解けるし、イヴちゃんならもうばっちりなんじゃないかな」
ファミレスへ立ち寄ったわたしたちは早速勉強を始めていた。
机には食べかけのポテト、飲みかけのジュースが置いてある。
出久の勉強はとっても分かりやすい。
基礎の基礎を完璧に覚えている出久は、教えるのも上手い。
わたしより頭が良くなってる気がして焦る。
『出久ありがとう〜!!!やっとわかった!!さすが!!!』
「どういたしましてだよ!」
『今日はわたしの奢りで!!!』
「え!?いいのにそんなこと!!気にしないで!!」
『いいのいいの、ほんとに。いつも助けてくれてありがとう』
出久の顔がほんの少し赤く染まる。
勉強が分からないときはこうやって教えてもらうことが多い。
わたしも分かる部分は出久に教えつつ、勉強を続けた。
気付いたら、外はもう夕焼けに染まっている。
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