第2章 #01 憧れた雄英
わたしたちは幼い頃から一緒だった。
遊ぶ場所も、学校も、将来の夢も。
かっちゃんと出久は仲が悪くなってしまった(というかかっちゃんが一方的に嫌っている?)が、それでもわたしたちは仲が良かった。
一緒にヒーローになって、チームを組んだら楽しそう。
わたしたちなら最高のヒーローになれる気がするんだ。
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雄英を受けるためには、実技もそうだけど受験勉強が大変だった。
勉強はそこそこ出来たけど、それでもかっちゃんにはまだ追いつけなかった。
出久も頭が良いし、頭の回転が早い。負けていられない。
毎日必死で勉強した。追いつくために。
学校では個性を使えないし、個性を使えるトレーニング場へと通った。
『出久!今日一緒に帰らない?勉強で分からないところあって、教えてほしいんだ』
「イヴちゃん!もちろんだよ!」
放課後、机に並べられたヒーローノートを片付けていた出久に声をかけた。
2人で帰るのはなんだか久しぶりな気がした。
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