第6章 私はマリオネット。
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スースーと寝息が聞こえる。
僕の胸の中で彼女が寝ている。
まさか少しこちらが引いただけで
泣くなんて思わなかった。
本当、可愛くて可愛くて。
「何処にも出したくなくなるね」
気持ち良く寝ている彼女を見ると
自分の中のドス黒い感情が
抑えられない。
コレ、独占欲って言うんだっけ?
「幾ら同級生でも、誰にもあげないから」
本当に可愛い、僕の人形になればいい。
愛おしい彼女の首に印をつける。
こんなに小さいのに、強がって。
「………ハハ、—————」
去年、五条先生に
"愛ほど歪んだ呪いはない"って
言われたのを思い出した。
じゃあ、さっき吐いた言葉は呪いかもな。
可愛い彼女の寝顔と自分が付けた印を
見て満足しながら、そっと目を閉じた。
end