第6章 私はマリオネット。
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「いつも私が憂太を怒らせるから?
私ばっかり縛ってって言うから?
なんで?
なんでこういう時だけ突き放すの?」
憂太の顔が曇る。
私の顔はどうだろう。
さぞ醜いだろう。
「……雪奈ちゃん」
「勝手だよ。なんでいつも憂太に
振り回されなきゃいけないの?
真希が言った通り、私が信用出来ないんだ」
「雪奈ちゃん」
「大体、いつも男がとか言うけど
憂太だって可愛い女の人と話したり
仕方ないにしても連絡先も交換してる。
私が憂太に何言われる筋合「雪奈」」
痺れを切らしたのか
憂太は私を引き寄せて強引に口を塞ぐ。
嬉しそうな、怒ってそうな。
なんとも言えない顔をしていた。
そして知らないうちに私の目から
出ていた涙を拭う。
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