第6章 私はマリオネット。
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扉を開けた先の憂太は
先程の覇気は無く、目が赤らんでいた。
「………泣いた?」
「ハハハ、やっぱり分かる?」
「とりあえず入りなよ」
無理矢理憂太を部屋に入れる。
適当に座らせたけど会話という会話は無い。
はあ、と溜息が聞こえた。
「………いきなりきて溜息?」
「喧嘩しに来たわけしゃないよ。
ただ少し、困っちゃったな………」
憂太はハハハ、と乾いた笑いを出す。
困った様な微笑みだった。
鼻をすすり、憂太はまた口を開く。
「雪奈ちゃん、好きだよ。
好きだけど…いつも僕は雪奈ちゃんを
困らせちゃうから。
それなら距離を置いてもいいかなって」
「…………え?」
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