第1章 君が私の煇。
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私は考えてる事が顔によく出るみたいで
傑は困った顔で続けた。
「……自分が好きになった人の前でも
カッコつけたいのが男なんだろうけど
いざ、その時になると余裕もなくなるよね」
「…傑の、笑った顔、好き」
「おや、嬉しい事言うね」
「優しいところも、真面目なところも、
実は私が困っている時に
助けてきてくれたところも好き、大好き」
「本当、君は私を乱すのが上手いね。
……あと少ししか眠れないけど眠ろう」
「ん……」
「……君が私を人間にしてくれるんだ」
傑が言ってる意味はわからなかったけど
少し寂しく見えて、傑を強く抱きしめた。
彼は少し笑って、私を包むようにして
規則正しい寝息を落としていた。
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