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Short Storys

第1章 背負うもの(Dグレ/ラビ)


そのままが何か言うのかと思いきや……

誰が見ているともないのに真っ赤な髪をたなびかせ、格好つけて近付いてくるラビなんて見なかったかのように、顔を元の方に向けた。


「ええっ!?」


予想に反した行動に、ラビが大袈裟にずっこける。

意味不明な彼を冷ややかな目で見つつ、


「…何してんの」


と、一言。

何かしら不機嫌なようである。

些細な雰囲気からそれを察したラビは、小さくため息をついて、の横に座り込んだ。


「どうしたんさ、?」


おおよそ予想はついているが、あえて聞くラビ。


「ん……景色…見てた」

「うん、」

「ここに来れば、ヴァチカンの市街が臨める。私はこの街に住む全員の命を背負ってるんだって…再確認できる…」


はたまに戦闘に負けると、こうやって自分を立ち上がらせる。

それを、ラビは知っていた。


「はあ……こんなこと、してる場合じゃないのに…」


今回のレベル4との戦闘、さすが教団トップのは全く相手に引けをとらなかった。

だが事実、死傷者が大勢出たことを、自分が護れなかったと責めているのだろう。


「、」


今まで彼女の言葉を静かに聞いていたラビが口を開いた。


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