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Short Storys

第2章 ささやかな願い(PandoraHearts/エリオット)


「いやね、が自分を避けてるってエリオットが言うもんだからさ。」

「別にそういうわけじゃ……」

「じゃあどういうことだ?」


先程からいつもの調子で話すリーオに対して、エリオットがの様子に明らかに苛立ったように詰め寄る。


「さっきから目合わせようとしねぇじゃねーか。」

「……………」


ちっ

小さな舌打ちが聞こえたかと思うと、ついに何も言うつもりがない雰囲気のの腕を引き、こっちを向かせたエリオット。

だが彼女の表情を見た瞬間、ぎょっとしたように目を丸くした。

行動が停止したエリオットを不審に思ったのか、後ろにいたレイラが彼を押しのけてを覗く。


「ちょっと!何泣きそうになってんの!」


そして彼女の今にも泣きそうな顔を見て、驚いたように叫んだ。


「レイラ……」


はそう呟くと、心を許す女友達であるレイラに抱き着く。

いつもは冷静でこんなに感情的ではないに対し、落ち着かせるように彼女の頭を撫でるレイラ。
しばらくそうしていたあと、は大分落ち着き、顔を上げてエリオットを見る。


「……聞いたんでしょう、エリオット。」

「……ああ。」

「いきなりだったのよ。別に隠してたわけじゃ」

「わかってる。」


さっきとは違う、優しさが含まれた言葉。

エリオットがしっかりを見つめるので、ふとは目をそらした。


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