溺愛してくる五条についに告られたがよからぬ妄想してたみたいで
第1章 夜な夜な一人で慰める五条。
「ヒロインちゃん!」
来てくれたんだね」
「え……もしかしてこの子が……?!
確かにすごくかわいい!」
「ヒロインちゃんキミが来るまでになんとしても片付けようと思ってた。
なぜだかわかるかい?
キミをほんの少しでも危険な目に合わせたくな……」
「そこの三輪ちゃんと仲良くしゃべる時間を確保するためですね?
そんなデレデレした顔ははじめて見ました!」
「えー……」
ヒロインは完全に気分を害していた。
「もう討伐任務は終わったんですよね?
私は帰らせていただきます」
「えー……」
「ヒロインちゃん。
こないだの任務のとんぼ返りはちょっとひどかったんじゃない?」
「きゃ、急に現れて視界さえぎらないでくださいよ。
五条さん。
たまの休日せっかく一人でウインドーショッピング楽しんでるのに」
「休日も僕に会えて嬉しいでしょ?」
「嬉しくないです。
あとつけてきたんですか?
休日くらいほっといてくれませんか」
「つれないなぁ。
こないだの任務も瞬殺したことねぎらってくれてもよかったんじゃない?」
スタスタ歩くヒロインの隣に自然な動作でつくと、さりげなくヒロインと手をつなごうとする五条。
「もっと早く倒してくれれば駆けつける手間もなかったのに」
するりと手を振りほどくヒロイン。
「それもできたけど、それじゃヒロインちゃんに会えないじゃん。
僕の目的達成できないことになってたよ」
今度はさりげなく頭をポンポンする五条。
「変な時間調整しないでください。
目的は私でなく呪霊討伐を最優先してくださいよ」
するりと頭の手を振り払うヒロイン。
ヒロインは思っていた。
この軽いノリ。
すきあらば接触しようとしてくるこの感じ。
この人生粋の遊び人なのね。
それもめっちゃモテる部類の。
今まで女の人に拒絶されたことなんてないんだろうな。
だから拒絶する私のことがもの珍しくて、落とそうとして来てるって感じかな。