第2章 傷負う君も愛す
「立ち話もなんですから部屋に来ます?」
「煉獄が怒るんじゃねぇか?」
「そのくらいで怒るような人じゃないですよ」
しかし良い気持ちではないだろうな、と不死川は思う
「俺はもう帰るぜ」
「そう、ですか?」
寂しそうにするほのか
そんな彼女に申し訳なくなる
「煉獄に悪いしよ」
「私まだ杏寿郎のになってわけじゃないですよ!?」
「わかってるよ」
焦るほのかに不死川は笑って手を振る
帰る不死川の後ろ姿を見送った
ほのかは大人しく部屋に帰る
不死川はきっとカナエのことが好きだったのだろう
伝えずにいなくなってしまった彼女のことを今でも心に思っているのか
月命日には線香をあげに来るぐらいだ
悔やんでいるのだと思った
ほのかは胸がきゅっと締まるのを感じた
休養中に杏寿郎のことをゆっくり考えることにした
肩の具合もよくなり、機能回復訓練を開始した
最初はうまく体が動かなかったが日々訓練をしていくうちに
思うように動くようになってきた
胡蝶の継子のカナヲとも渡り合えるようになる
その間も杏寿郎は何度も見舞いに来てくれた
弟の千寿郎の話しをよくしてくれた
ほのかがいなくて寂しがっていると言った
早く家に帰って千寿郎を抱きしめてやろう
ほのかは思う
「俺もほのかがいなくて寂しく思うぞ」
「家が静かなの?」
「それもあるな!」
笑い合う二人
不死川と話してから杏寿郎とも普通に接することができるようになった
「杏寿郎、」
「ん?」
「その、あのことなんだけど...もう少し待ってくれないかしら」
杏寿郎は数回瞬きをする
「ちゃんと考えるから」
「向き合ってくれるのか」
「杏寿郎が言ってくれたことだもの!真剣に考えるわ!」
杏寿郎はそれだけでも嬉しかった
「そうか!」
笑顔になる杏寿郎
その夜ほのかは今まで杏寿郎と過ごしてきた日のことを思い出した