第1章 風信子(ヒヤシンス)
まったく。本当に嫌な予感が当たってしまうとは。
そして、彼女は気づいていないようだったいや、気づかないようにしていたかは分からないが、心臓の約数ミリ下の部分にも銃弾が刺さっている。
これほどまでに運が強い人間と遭遇したのは初めてだ。
そして私は初めて人を殺さずに戦う彼女の姿を見た。
思わず昔の彼女を連想してしまうほど昔と変わらず美しかったが、こんなに慈愛のある彼女を見たのは初めてだ。
いや、きづかなかっただけか。
本当に私は何もかも失格だな。
「よし。与謝野先生、この子が起きないうちに治療してあげて。」
与謝野「わかった。」
この子が起きたら本当のことを伝えるべきか、それとも嘘をつき続けるか、。
いや言うべきだ。
言おう。
彼女にとっては必要だ。