第5章 禁断の扉(柊魁明)🔞
「書くべき所は書いてあります。あとはあなたが名前を書いたら、明日私が提出しに行きます」
「ああ…」
今更『そんなことは無い。俺はお前を愛してる』とでも
言ったところで説得力など皆無だし火に油だ
俺はただ、黙って離婚届に名前を書くことしか出来なかった
「慰謝料は請求しないし、お相手も随分と若い子だから請求はしないわ、私も鬼じゃないし。ただし、あなたはさっさと次の住まいをみつけてなるべく早く出て行ってちょうだいね」
離婚にしてはあまりにも淡々としているし
彼女にも優しさを見せるなど少しばかり違和感がある
本当なら直接会ってひっぱたいてやりたいと思うが
彼女にも会わなくて良いらしい
なんだか、妙に引っかかる
次の日
俺は複雑な気持ちを抱えたまま出社する
これで俺もバツイチか…なんてことを考えながら
「柊さん、おはよっ♡」
今日も彼女の笑顔が眩しい
「…俺、妻と別れた。離婚したんだ」
突然の俺の告白に、彼女は一瞬固まったが、すぐに顔が
ぱあっと明るくなった
「本当!?本当に本当!?やったあ、これで私だけの柊さんだね!」
ぴょんぴょんとはしゃぐ彼女が可愛いらしい
「それでなんだけど…俺、妻に追い出されちゃってさー。名前さんがよかったら、次の家がみつかるまで泊めてくれない?」
「良いも何も、柊さんは私の彼氏でしょ?そのまま一緒に住もうよー♡」
彼女の提案に乗り、すぐさま同棲を開始した
前よりも少し狭い家だがとても幸せな生活だ
そして、2年の月日が流れ、俺たちは結婚した