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月夜の欠片

第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後


「遥々こんな所までかたじけない!君がの言っていたお狐様か!確かに途轍もなく可愛らしいな!」

の言った通りあまりの可愛さに杏寿郎の顔が綻び、フワフワな首元に手を伸ばして撫で撫で。
嫌がる素振りは皆無……むしろ気持ち良さげに目を細めて杏寿郎の手に顔を擦り寄せているように見える。

『はっ!違う違う!そうじゃなくて。お兄さん、勝手に姿借りてお嬢さんを驚かせてごめんよ。そのお詫びにね、2人の厄災を払っといたよ。全てとはいかないけど』

撫で撫でしたそうに手をうずうず動かしていただが、あまりに早く……そして身に余る詫びに動きを止めた。

「え?!いつの間に?!杏寿郎君、そんな大それたこと……頂戴してよろしいのでしょうか?!」

「俺はモコモコな尻尾が払ったのではないかと思うぞ!既に与えてもらったのならば有難くいただいてよいのではないか?無碍にも出来まい」

尻尾で払ったのか違う手段で払ったのか、狐は楽しそうに真ん丸だった瞳を柔らかく細るだけなので分からない。

「そう……ですね。お狐様、ありがとうございます。今度は肝試しではなくて神社にお参りに伺わせていただきます。あ、杏寿郎君、初詣はあそこの神社にいたしましょう!」
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