第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
相変わらず外を歩けば何かしら厄介事に巻き込まれて帰ってくるにもう笑いすら出てこない。
「……派手に罪悪感湧くんだけど。狐の嫁入りなんざマジであんのか知らねぇが、ちょっと待っててくれ……揚げ調達してくるわ」
天元の落ち込み具合が物凄い。
肝試しでを1人ぼっちにさせた事に怒っていた杏寿郎でさえ、少し可哀想に思えるくらいだ。
「天元君、そこまでして下さらなくて大丈夫ですよ!神様だったとして、お詫びと言うくらいです!私にとって嫌なことはされないはずですから!」
フラフラと玄関へ向かおうとする天元の腕を全力で掴みその場へ押し留める。
さすがは痣者、ふわりと頬に痣を顕現させると体格差があったとしても天元の大柄な体すら簡単に引き止めてみせた。
「いやいや、これで姫さんが天に召されたら……」
「召されませんよ!何か起きる前に、それこそ四六時中杏寿郎君のお側にいさせていただきます!私にとって何よりも誰よりも頼りになる方です、これ以上安心出来る場所……ないと思うの……ですが……ご迷惑でなければ」
2人の遣り取りを見ていた杏寿郎はゆっくり立ち上がると、の側へ歩み寄って頭をポンポンと撫でた。