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月夜の欠片

第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後


「狐と?君が帰り際に言っていたあの狐と話したのか?」

何となくが何かに向かって手を振っていたのは杏寿郎も知るところであったが、まさか狐と話していたなどと思いもしなかったので目を丸くして驚いている。
それは目の前の天元や、天元の謝罪を少し厳しめの視線を送りながら眺めていた柱たち全員も同じくだ。

「はい!お話し出来たと言うよりも、声が頭に直接響く感じでしたが。ごめんね……と仰られていました。久しぶりに人が来たので遊んじゃったって。あの神社の神様だったのならば、少し寂しかったのかもしれませんね」

ニコリと笑いながら言うに全員が絶句。
信じていないと言うより、よくその場で叫ばなかったなという驚きが言葉を失わせたようである。

「それに驚かせてしまったお詫びをすると仰ってくださいましたよ?可愛らしい子供のイタズラみたいな感じですね!」

「待て待て待て!そのお詫びが君を嫁に迎える……だったらどうするつもりだ?!天に召される事になるのだぞ?!」

杏寿郎の言葉には危うく手に持ったグラスを落としそうになり、慌ててそれを持ち直した……震える手で。

「そ、その時はきちんとお断りします!杏寿郎君がいるのでお嫁にはいけませんって……でもそんな深刻な雰囲気ではなく、本当にごめんねって感じだったので……お花を届けてくれるとかそんな事だと思うのですが」
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