第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
「それでですね、樹さんの姿が開始直後すぐに消えてしまいまして……その後は髪の長い女性の幽霊やお経……男性の生首が現れたんです。ここは幽霊が出ることで有名なのですか?」
今はしっかりと首元に巻き付いてくれている鏑丸に問い掛けると、鏑丸は否と言うように体を左右に揺らした。
「そうですか……廃れてしまったとは言え、元々神様を祀っていた神社には幽霊は出ないのでしょうか?そうなれば、今までの幽霊やお経はやはり柱の方々だったんですね!天元君は樹さんを連れ去ったとして……あと残りの柱の方々は3人前後なはず」
の推測に満足気に鏑丸は体を揺らし、少しでも元気な状態を維持出来るようにピタリと頬に体を擦り寄せる。
「フフッ、鏑丸さんは伊黒様と同じくお優しいですね。怖がってる私を脅かさず、鏑丸さんをさずけて下さった伊黒様には感謝です!……あれ?見てください!あそこに杏寿郎君がいらっしゃいますよ!」
が指さす方向に鏑丸は視線を向けるが……何を言っているのか分からないと言うように首を傾げた。
「杏寿郎君!見てください、鏑丸さんがそばにいて下さっているんですよ!ご心配お掛けして申し訳ございません。でも、杏寿郎君も一緒にいてくださると凄く心強いです」