第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
「やぁぁぁっ!もういやーー!あ、あれ?よく見ると鏑丸さん?わぁぁん!鏑丸さんだ!驚かせてしまってごめん……なさい。宜しければ本殿までお供して下さい!1人ぼっちで怖かったんです」
地面に崩れ落ち涙を流すを慰めるように、鏑丸は頭を頬に擦り寄せる。
その感触が今のにとっては神からの救いのように感じられ、涙を拭ってようやく笑顔を覗かせた。
「ありがとうございます。後でちゃんと伊黒様の元へ送り届けますので、今だけ私と一緒にいて下さい。本殿が近いのか遠いのか分かりませんが……鏑丸さんが一緒ならば頑張れそうです」
は立ち上がると膝に付いた砂埃を払い、気を持ち直して鏑丸と言う心強い仲間を肩に乗せて更に奥へと足を進めて行く。
その後ろ姿は先ほどまでより恐怖が和らいだように見えた。
「伊黒さん、鏑丸君がちゃんを慰めてくれましたね!よかったぁ……でもどうしてちゃん1人だったんでしょう?」
「……あそこまで追い詰めるのは宇髄しかいないだろうな。煉獄が知れば静かに怒りそうだ」
「あはは……その現場にはいたくないですね」
2人は鏑丸と共に先へ進むより、後から間違いなく怒られる天元をほんの少し心配して……今は暗闇のみが映る鳥居の奥を見つめた。