第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
「おい!どうすんだよ?!脅かせる雰囲気じゃねぇじゃねぇか!どうにかしろよ!」
「お前がどうにかすりゃあいいだろォ……俺は煉獄じゃねぇんでなァ。泣きそうなあいつの慰め方なんて知らねぇ。てか空気読まずに脅かしにいけよ。宇髄の得意分野じゃねぇかァ」
木々の影からたちを冷や冷やと……悶々とした気持ちで見守る天元と実弥。
突如として始まってしまった深刻な話に2人は大いに戸惑っていた。
「俺の事なんだと思ってやがる?!てか棗って……姫さんの同郷の剣士だったか?確か姫さんが今際の際で再会したって女剣士」
「あぁ……あいつにとって強くなるきっかけになった女だ。棗の仇を取る時に紫炎が顕現した。確かあの時は……炎の呼吸 未定の型 紫炎の猫かなんか妙な名前付けてたなァ」
棗の件までは視線を落としていた天元だったが、妙な呼吸名を耳にした途端ポカンと口を半開きにした。
「姫さんって才能はあるけど……どうもいつも締まりねぇな!まぁ、完璧な女見てるより抜けてんの見る方が面白ぇけど。お!なんかいい雰囲気なってんじゃねぇか!おっし、ここは煉獄に変わって俺が2人を引き離してやる!不死川、姫さん脅かすのは任せたぞ!」
の頭に樹の手が置かれた数秒後、の悲鳴が辺りに響き渡った。