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月夜の欠片

第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後


(皆さんお優しいので間違えて木刀を振るっても怒らないと思いますが……怒られるのかな?)

こればかりは誰かが柱の誰かを木刀で殴らないと分からないので答えは出ない。
果敢にもそれを実行しようとするのはこの場にいないので、この疑問に関して永遠に解けることはないだろう。

「それより出発するぞ!先陣を切るのは俺様だ!山育ちの俺からすれば夜の山なんて全く怖くねぇ!」

1番目は1人で肝試しに挑むことに相成った伊之助である。
事前に天元に渡された蝋燭に火を灯し、意気揚々と不気味な暗闇へと足を踏み入れて行く。

「伊之助、その蝋燭を本殿のお賽銭の前に置くの忘れるなよ!置いたら本殿の中で待機だぞ!」

「任せろ!全部覚えてるぜ!」

善逸の丁寧な説明に元気に答えて暗闇へ姿を消して数秒後。

「ぎゃあああ」

あの伊之助の悲鳴が辺り一体に響き渡り、はもちろん全員が肩をビクつかせた。

「い、樹さん!怖くなれば私の背後に隠れて下さいね!何が何でもお守りしますので!」

そう言うものの本人を横目で樹が確認すると、顔色を真っ青にさせて全身を余すことなくガタガタと震わせるの姿が映り、思わず小さな溜息が漏れ出る。
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