第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
いつも通りの話の終わり方に天元は苦笑いを浮かべながら、猪口に入っていた酒を一気に煽った。
「あの初心な姫さんが頑張ったとなりゃあ、そうなっても可笑しかねぇわな!で、何してもらうの?そこまで話してなかったろ?嫁たちに聞いても教えてくれねぇんだわ!」
そこはのためを思って嫁たちは天元にすら黙ってくれていたらしい。
つまり嫁たちですら教えないのだから、杏寿郎が例え知っていたとしても教えるわけがない。
「俺も聞いていない!聞いていたとて教えるわけなかろう?あの子の気持ちを尊重してやりたいのでな」
まぁ想像通りの返答だったのだろう。
特に天元が残念がる様子もなく、空になった猪口に徳利から酒を注ぎ入れながら喉をクツクツと鳴らして笑った。
「ま、何にせよお前ら2人が穏やかで幸せに暮らしてんなら、これ以上嬉しいことはねぇ!酒も進むってもんだ!おら、煉獄も飲めよ!どうせ姫さん帰ってきたらラムネ飲むんだろ?今くらい付き合え」
「それはこちらも同じだ。宇髄たち家族も幸せそうで安心している」
天元からのお酌を有難く受け、今頃は楽しく甘味を選んでいるであろうの帰りを待った。