第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
教えて貰えなかった事は分からないし、それ以前にそう言った知識に明るくない2人が考えたとして……高度な何かしらは考えつくはずもないのだ。
特には杏寿郎に教えてもらったことと嫁たちに教えてもらったことが全てなので、考え付いたとしてもあまりの衝撃に気を失うに違いない。
「そうですね!とりあえず目下の事をやり遂げられるように……なってから……き、期待していて下さい!」
せっかく顔色が戻っていたのに逆戻りだ。
それでもいつまでもここで時間を潰していては、今度は天元に何を言われるのか分かったものでは無いので、頭を撫でて先ほどは拒まれてしまった手を肩に置いて近くへ誘った。
「そこまで頑張ってくれたのだから期待して待っている。君の無理のない程度でな」
「では明日お願いいたします!ずっと待っていていただいてたので、出来る限り早くがいいなって……構いませんか?」
部屋を出ようと足を踏み出したはずが無意識に止まり、気が付けば恥ずかしげに見上げてきていたに口付けを落としていた。
気持ちは外へと向いていたのに脳内の処理が追いつかなかったのか……杏寿郎自身、自分の今の行動に驚き唇を重ね合わせながら僅かに目を見開いている。