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月夜の欠片

第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後


2人に突っ込みたい気持ちを無理矢理抑え、天元は言われた通り嫁たちを連れて玄関へ向かっていく。
それに伴い杏寿郎は少し赤みのひいたの手を引っ張って、玄関へ天元たちを迎えるために歩いて行った。

「よく来てくれた!もう全て……ラムネ以外は準備が出来ているので居間で待っていてくれ!」

玄関を開けて盛大にお出迎えするも、天元の顔はやはり少し不満げでジトッと杏寿郎を見つめている。
それに戸惑ったは笑顔の杏寿郎と不満げな天元を交互に見遣り、杏寿郎の繋がれた手をチョイチョイと引っ張った。

「あの、ラムネは私が用意してまいります。乾杯も……杏寿郎君はお酒にしませんか?と、とりあえず上がってください!すぐに準備してまいりますので!」

困ったり焦ったり表情をコロコロ変えて天元たちを迎え入れると、は誰の返事も聞く前に慌てて台所へと1人駆け出していってしまった。

「えぇ……何、この罪悪感。てかラムネって……普段買ってやってねぇの?」

居間へと続く廊下を歩きつつ今度は違う意味で杏寿郎をジトッと見つめていると、杏寿郎は目をかっ開いて物凄い眼力で見つめ返す。

「あの子は今日の為にラムネを楽しみに取っておいたのだ!好きならば買おうと何度言おうが、今日君たちと食事をする時の楽しみにするんだと言って聞かなかった!先ほどはラムネ1つであそこまで笑顔になるを愛でていたんだ」
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