第5章 ※ 25章 決戦と喪失の後
「そうか!では酒を1割、ラムネを9割にするとしよう!それならば宇髄も寂しくならんし、の愛らしい笑顔も」
「おい!外まで聞こえてんぞ!酒1割とか少ねぇだろ!どんだけ姫さん大好きなんだよ?!」
居間の開け放たれた障子の少し向こう側、縁側に膝を置いた天元が台所へ向かう2人……特に杏寿郎に不満げな表情を向けていた。
その傍らにはニコニコと笑みをたたえながら、と杏寿郎に手を振っている天元の嫁3人の姿がある。
もちろん抱きついている現場を見られたの顔は赤くなり、杏寿郎の胸の中に隠されていった。
「少なくない!俺は普段酒を嗜まないので、宇髄に付き合う1割でも多いくらいだ!の事が大好きなのは潔く認めるがな!それより玄関へ回ってくれ!客人を縁側から入れるのは気が引けるのでな!すぐに鍵を開ける!」
「……その状態でどうやって鍵開けんだよ。姫さん隠したままじゃ動けなくない?」
その言葉には慌てて顔を上げ、杏寿郎の胸の中から解放されるために熱くなった頬を冷まそうとパタパタと手で扇ぎ出す。
「ふむ、も頑張っているのですぐに向かえる!、落ち着いたか?」
「は、はい!もう大丈夫です!天元君、奥様方、お待たせ致しました。すぐに玄関でお迎えします!」