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月夜の欠片

第3章 第4章 鍛錬と最終選別 243ページ付近


「大好きです。お側にいて下さるだけで心がポカポカしますし、手を握っていただいたり頭を撫でていただくと幸せな気持ちになります」

その顔の赤さは火照りからくるものではなく、恋い慕う杏寿郎を思い浮かべ薄紅色に染まっている。
こんな相談を受けるのは恥ずかしいが、の表情があまりにも幸せそうで千寿郎も思わずつられて笑顔となった。

「ではさんは兄上とずっと一緒にいたいと思いますか?例えば……兄上がさんではない誰かと婚姻関係を結んだとして、悲しくなったりしますか?」

幸せそうな表情から一変。
の表情が一気に悲壮に満ちたものへと早変わりだ。
明らかに千寿郎の例え話に悲しんでいる。

「それは……悲しいです。ずっと私の側に……いて……欲しいと……え?!私、男性として杏寿郎さんを慕っているのでしょうか?!」

ようやく気付いた。
色恋沙汰に疎い杏寿郎でさえ自分の気持ちにすぐ気付いたのに、なんとは数ヶ月かけてようやく自覚した……しかも千寿郎に助けて貰って。

「フフッ、僕は何も聞かなかった事にしますね。兄上もさんも僕は大好きなので、実れば嬉しいです」
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