第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
そして半刻ほど永遠と打ち合いを続けていたが、開け放っていた門を通って道場の前に数人の門下生がやってきたのを期に2人は手を止めた。
彼らを道場へ招き入れて数分待っていると続々と門下生たちが到着し、全員が揃ったところで杏寿郎とが前に歩み出て自己紹介をした後、経験者と未経験者を分けた。
「未経験者は俺が責任を持って1から育てる!俺が基本的なことを彼らに教えて戻るまで、師範代である彼女に君たち経験者を任せるが……そこの君、木刀を持って前に出なさい!」
杏寿郎に指名されたのは不満げにを見つめていた青年。
華奢でふわふわした雰囲気を醸し出しているに、なぜ自分が教えを乞わなければならないのかと不満に思っているのだろう。
「師範代から簡単に1本取れたら、ここを去ります」
何とも自信満々な青年に2人は怒る事もなく、杏寿郎が前に出る前にが木刀を手に青年の前に歩み出た。
「構いません。全力でかかってきて下さい、失望させることはないと思いますので」
ふわふわとしたの雰囲気は一瞬で払拭され、仏から阿修羅のそれへと様変わりする。
その様子を杏寿郎は笑顔で見守り……青年以外の門下生たちは体を震わせて見守った。