第6章 第26章 月と太陽 1873ページより

「君は謙虚だな！自己修復能力が高かったとはいえは過酷な柱稽古を生身の体で、どの剣士よりも早くこなしたではないか！鬼殺隊が解散されてからも特別な用がない限り毎日鍛錬を行っていたんだ、心配は無用だぞ！」

そう言いながらもの手を引っ張って道場へ足を動かしているので、手合わせを願われたことは嬉しく望むところなのだろう。

「そうですけれど……門下生の中には剣術経験者も数名いらっしゃると耳にしましたし……初日から私が1本取られてしまったら、と考えると手が震えそうです」

「幼少時代から鍛錬をしていた俺相手に、一刻も粘れたら何も不安に思うこともないだろう」

道場に到着すると本当に手を震わせるの手を引き寄せ、落ち着かせるように胸元へ誘って背中をさすってやった。

「俺の元継子が簡単に1本取られるわけがない。柱全員から認められ命のやり取りをしていた柱が簡単に抜かれるはずがない！だが不安なら相手をしてやる！」

「はい！皆さんのお顔に泥を塗ってしまわないよう、気合いを入れて門下生の方々のお相手をさせていただきます！師範、それまでお相手願います！」

仏と思しき阿修羅とかつて剣士たちの間でまことしやかに囁かれていた時の表情となったに頷き、木刀を差し出して手合わせを開始した。