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君想う

第5章 秋の心地いい風


玄関に入ると同時に実弥はちひろを壁に押しやってキスをする
それに応えるように実弥の広い背中に手を添えた

「...ッフゥ」
「ッハァ」

2人の漏れる吐息だけが暗い部屋に響く

スゥっとお互いが離れると名残惜しそうに実弥は額にキスを落とす 

「...お茶、つぐね」
「ぁあ」

実弥がソファに座ると2人分のお茶を手に持ってきたちひろも隣に座る

「実弥、会いたかったぁ」
「ぁあ」

ちひろがしがみつくと優しく抱き返す
そのままソファに倒れ込む

実弥の腕の間にちひろの顔が収まる
逃がさないとばかりに激しくも優しいキスをする
時折甘い息を漏らすちひろにゾクリとする

夢の中で何回ちひろを抱いただろうか
ちひろを想って一人で慰めた日もあった

やっと自分のモノにできる幸福感に実弥はちひろを抱きしめた

「実弥?」

実弥のフワフワの銀色の髪が頬を擽る

「抱いていいか?」

耳元で低い実弥の声が響く
小さく頷くと実弥はちひろを引っ張り起こし抱き抱えベッドルームへと移動する

優しく下ろすと実弥は着ていたジャケットを脱ぎ捨て締めていたネクタイを解く
その姿が妙に色気を放っておりちひろは見入ってしまう

「ん?どうした」
「ぁ、なんでもない」

そっぽを向くちひろ
ギシッとしなるベッド
実弥がちひろの前に来ておりベッドに手を置いていた
実弥はそのままちひろの首元に顔を埋める

「あ、私汗臭いかもっ」
「気にしない」
「でもっ」
「そのままでいいからもう我慢させないでくれェ」

実弥の息が温かい
ゾクリとする首元に思わず目を瞑る
Tシャツを少しずらして首をかぷりと噛み付く

「ひゃぁ」

その声に良くして下から服の中に手を忍ばせると下着の上から柔らかい膨らみを撫でた
時折先端があるであろう場所を強く摘むとピクンと跳ねるちひろの肩
必死に実弥の背中にしがみつく
右手を後ろに回しホックを簡単に外して見せる実弥にちひろは驚く

「ちょ、と...実弥、慣れてない?」
「... ...そぉかァ?」

慣れた手つきの実弥に頬を膨らませるちひろ

「それはお互い様だろォ」
「え?」
「お前が彼氏ができるたびに俺はどれだけ苦しかったか」


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