第3章 しとしと雨降る
「ふぅー気持ちかったぁー」
実弥の黒いTシャツとスエットを借りて出てきたちひろ
持ってる服の中でも小さめのものを選んだつもりだったが
ちひろがそれよりも小柄の為少し着崩した感じになる
「おまえ、それで仕事行くつもりか?」
「え?ダメ?」
「ダメだ」
実弥は直視できない
玄弥もまた同じ
「ちひろおまえ一応女だろ?少し考えろよ」
呆れた玄弥はそう言った
「あー...ちょっとブカブカだもんねぇー。玄弥の小さい時のとかないの?」
「そんなんもうねぇよ」
「そっかー。でも大丈夫だよ!職場に替えのシャツあるし」
「そーゆうことじゃねぇぇ」
仮にも職場にちひろのことを好きな功がいるというのに、その格好で出勤されたらたまったもんじゃないと実弥はちひろの肩を掴む
「急いで洗濯して乾燥機回すから着替えて行ってくれ!」
「そんなに言うならそうするけど...夕方まではこのままでいいでしょ?」
「まぁ家の中なら」
元はと言えば自分が酔い潰れて帰しそびれたのが悪かったと反省する
「じゃー時間までもうちょっと寝かせてもらうからベッド貸してー」
とちひろはさっさと実弥の部屋に行ってしまったのだ
「あいつ自由すぎじゃねぇか」
「兄貴、あんなののどこがいいんだよ」
「わかんねぇ」