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君想う

第3章 しとしと雨降る


「今日実弥ん家久しぶりに行っていいかな?」
「お?おぉ」

ビールを追加で頼むとちひろは言った
実弥もウイスキーをおかわりし避けられていたと思っていたので少し驚く

「あ!そうだ玄弥のやつ専門行くみたいだぜぇ」
「え!そうなの?」

「よかったじゃん」と飲みかけのジョッキで乾杯する
よほど嬉しかったのか珍しく酒のペースが早い実弥

「でなぁ玄弥のやつぅ」
「ちょっと実弥飲み過ぎじゃない?」
「不死川そろそろやめとけ」
「あ"ぁ?」
「ほら帰るよ。宇髄さん帰るからタクシー呼んでくれます?」

宇髄は素早くタクシーを呼ぶ
それを待つ間実弥はカウンターで項垂れていた

「あぁ〜なんで気づかねぇんだぁぁ」
「なにが!」
「人の気持ちも知らねぇでよぉ」
「もぉ飲みすぎ!」
「ちひろ〜」

ちひろにもたれ掛かる実弥を重いーっと起こす

「ほれタクシーきたぜ。運んでやるから後頼んだぞ」
「ありがとう、じゃまたね!」

タクシーに乗り込む2人を見届ける宇髄

「あいつ大丈夫かぁ?」



タクシーは実弥の家へと着いた
なんとか歩かせて部屋まで運ぶ
玄弥はすでに寝ているようだ

「ほら実弥、部屋、ついたよ」

真っ暗の実弥の殺風景な部屋
ベッドに転がして肩をポキポキと鳴らすちひろ

「実弥重いんだよー」
「んーちひろー」
「なぁに?」

呼ばれて近づくちひろの腕を勢いよく引っ張りベッドに倒し込む

「ちょっと、実弥?」

ちひろの上にもたれ掛かる実弥はスヤスヤと眠りだした

「うっそ!ちょっと待って実弥!起きて」

起きない

「えぇえぇ」

仕方なくちひろも目を瞑るとウトウトと実弥の温もりで瞼が重くなってくる
そして気付けば眠りについてしまっていた
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