第2章 そのキスの意味は【リヴァイ】
そのまま腕を引っ張られ、身体ごと兵長の胸に倒れこんでしまった。
お風呂上がりのせいか、石鹸の香りが鼻をかすめる。
兵長の両手が私の顔をしかめたを上向かせ、再び視線がかち合った。
「で、唇は?」
「え……?」
「唇はどういう意味だ」
目の前にある、兵長の薄い唇から発せられた言葉を理解した途端、全身が心臓になったように激しく脈打った。
青味がかった灰色の瞳に魅入られて、目をそらすことも出来ないまま、息を止める。
兵長の呼吸を間近に感じ、少し冷たい前髪が額を撫でた。
鼻と鼻が触れ合う。
キス、される。
目を固くつむって、次の衝撃に備える。
唇に温かいものが触れて、ピクリと瞼が震えた。
だが、何かがおかしい。
恐る恐る目を開けると、兵長が目を細めてこちらを見ていた。
「ゆ、指?」
唇はどういうに触れていたのは、兵長の親指だった。
思わず真意を問うように見上げると、兵長は私の下唇にすうっと指を滑らせた。
そんな優しく愛しいもののように触られたら、自分に都合の良い解釈をしてしまいそうだ。